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本調査研究では、医療・福祉サービスにおけるマルチメディアの活用が望ましいサービスを「診断サービス」と「福祉・介護サービス」と位置づけ、各サービスに必要なマルチメディアの機能を述べることとする。

治療行為自体に高い信頼性が要求される「治療サービス」に関しては、マルチメディアを活用することは様々なリスク(通信回線の不意の切断、画像の乱れ)が発生する可能性があることから、医師が直接治療を行うことが現在最も適切であると考え、マルチメディアの活用が望ましい医療・福祉サービスとして、「治療サービス」をあげないこととした。

 

(1) 「診断サービス」

「診断サービス」は、医師が患者に対して問診、視診、触診、各種検査等を行うサービスである。患者は、自分の症状を考えて受診する医療機関を選択するのであるが、現実には病気の如何に関わらず大病院を利用しているケースが少なくなく、いわゆる大病院志向が大病院の外来の混雑を生み出しているといわれている。大病院の外来の混雑は、大病院が専門的に持つ高度医療サービスの受診を必要とする患者に対して、受診機会を間接的に減らすという影響を与えてしまいかねない。

 

そこで、厚生省は、医療機関を分類し、それぞれの役割、機能を制度的に明らかにする「医療施設の体系化」と、専門家の判断で患者のニーズを特定した後、それに適したサービスを提供できるような医療機関、医師等の紹介機能を強化する「患者紹介の推進」を進めている。「医療施設の体系化」及び「患者紹介の推進」において、重要な役割を持つのが「かかりつけ医」機能の強化である。「かかりつけ医」とは、地域の(初期)医療サービス(診断サービスを含む)の中核的な担い手として、幅広い視点で「生活の中で患者を支える医療サービス」を提供する医師のことである。

 

<マルチメディアを活用する目的>

●「かかりつけ医」機能の強化

「診断サービス」においてマルチメディアを活用する目的の一つとして、「かかりつけ医」機能の強化があげられる。「かかりつけ医」機能としては、医療機関及び医師等の紹介機能、紹介する患者のデータ等(例えば、患者のレントゲン写真)の転送機能、

 

 

 

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